古代ローマにもキスの風習が広まり始める3>
- 紀元前五世紀 -
多くの詩人がキスを題材にした詩集をだす
詩集 第五歌 抒情詩人カトゥルス
「愛しのレスビア、ともに生きて愛し合おう。気難しい老人の陰口など、全部合わせても一文の価値もないと考えよう。太陽は沈んでもまた昇りもしようが、短い光がひとたび没すれば、私たちは果てしのない一夜を眠るしかない。
だから、千の口づけをしておくれ、それから百の口づけを、また千の口づけと百の口づけを、さらに千の口づけと百の口づけを。そうして何千回も口づけを交わしたら、勘定をめちゃくちゃにしてしまおう。私たちにも数がわからなくなるように。悪意がある人がこんなにもたくさんの口づけに気づいても、邪悪な目の魔法をかけられないように。」
愛の技法 詩人オウィディウス
「娘の唇を奪うときは気をつけよう、嫌な思いをさせないよう口を強く押しつけてはならぬ。」
- 紀元前三世紀 -
ローマ建国後1000年の時、庶民は熱心にキスをするようになる。このローマ帝国から軍隊を使って、ヨーロッパ全域にキスの風習が広まっていくことになる。
- 一世紀 -
エピグラム集 第十二巻 風刺詩人マルティアリスは十五年ぶりにローマに戻ってきた男性が、キス攻めにあう姿を書いた。
「隣人も毛むくじゃらの顔の農夫もみんなやってきて、ひどく臭う口づけを押しつけてくる。ここでは職工が襲いかかり、あそこでは布さらし工と、革にくちづけしたばかりの靴の修繕屋が、こちらでは汚いひげをたくわえた男と固めの紳士が、そこではただれ目の男と、ありとあらゆる忌まわしい行為で汚れた口をした仲間が口づけで攻め立てるのである。これではローマに戻ってきた甲斐がない。」
第二代ローマ皇帝ティベリウス
病気を蔓延させるという理由でキスを禁止しようとした。
ローマ政治家 カトー
飲酒を判断するために帰宅した夫は、妻にキスをするように忠告。
キスについて様々な世論がありながら、古代ローマ人はキスをやめることはなかった。
当時のキスを三つに分類できる
・オスクルム
社交場のキスや友情のキス、もしくは敬意を表したキス。
・バシウム
家族が交わす愛情のこもったキス。たまに官能的なキスを指すこともある。
・サビウム
性的なキス、性欲をかき立てるキス。
古代ローマのキスの法律
婚約したカップルは、もし嫁が結婚前に亡くなった場合、人前でキスをしたかどうかで贈り物の配分を決める。
→人前でキスしていれば旦那の持ち物になる
→キスをしてなければ親族の持ち物になる












