キスch

キスといえば世界各国さまざまなバリエーションがあり、文化によっても世代によってもそれぞれ考え方や捉え方も異なり、まさに十人十色である。キスはなにもディープ・キスだけが総てではないし、時間も場所も、そして状況も多様な想定ができるだろう。

しかしながら、日本においては「恥」という文化的な制約に伴って、たとえライト・キスであっても公の空間でするのは好ましくないとされ、いい扱いをされてこなかった。何よりも本人自身が「人前では恥ずかしい」と言って、キスをしたがらないケースは現在も多いのではないだろうか?

とはいえ、価値観の多様性がより大きくなってきている昨今では徐々にではあるが壁も取り払われてきているのかもしれない。例えば、境界での結婚式が一般化したおかげで「誓いのキス」は当たり前のイベントになった。他にも朝出かける際にパートナーと行うライト・キスも少なくはないだろう。

一方で、カップルがディープ・キスをする場合は、スポットやプライベートな空間など依然として限られた場所のみかもしれない。理由は単純明快で、やはり雑踏ではムードが出ないことにもよる。日中の都心の駅前にて完全に二人だけの世界へと突入してもディープ・キスができるようなツワモノは、ラテン系の人以外では相当の上級者。多くの人は夜の別れ際であったり、人気の少ない海岸であったり、ムードの方を優先したい気持ちは理解できる。

日本人は昔から静の情緒を大切にしてきた文化がある。キスができるタイミングも、やはりムードも含めて考えた方がより楽しめるのかもしれない。