キスch

僕にとってのファーストキスは本当に大変でした。優柔不断というか度胸がなかったため、何度もキスするチャンスを逃し、何の進展もないデートを繰り返しては、家に帰って後悔する日々を繰り返していました。

家ではデートコースをイメージし、どこでどう過ごしどんな言葉でキスに誘うのか、もしくは何も言わずにいきなりキスしちゃったほうがいいのか、10パターンくらいはストーリーを用意していました。ところがいざとなると…言葉が出てこないんです。やっとキスができたのは準備に入ってから半年後くらいでした。（時間かかりすぎ）

その日はずっと海辺のショッピングモールを二人で行き来していました。外のベンチに座って、雰囲気もシチュエーションもばっちり。しかし奥手な僕はなにもできません。今日も何の進展もなくいつものようにバイバイの空気が。

しかし！今日という今日は決めよう！！と思い勇気を振るうのですが、なかなか切り出せません。

ベンチに座った時は夕方でしたが、ヤキモキしている内にすっかり日も暮れてしまいました。それでもどうしてもキスしたかった僕は、ダメもとで「キスしても…いい？(汗)」と切り出せたのは、ベンチに座ってから3時間もたった時です。

言ったあとは心臓が破裂しそうでした。彼女は斜め下に目線を置きながら無言で頷き、素直に受け入れてくれてキスをしました。僕は彼女のほっぺに手をやり震えながらキスをしました。緊張してましたが、とても彼女の唇はあまかったです。

後日、女の子にそのキスの話をすると「トイレに行きたかったんだけど、なんかしたそうだったからずっと我慢してた」と言ってました。それを聞いて冷や汗がでましたが、それでも念願のファーストキスができたので、頭の中に花がいっぱい咲きました。すごくうれしかった思い出です。