キスch

私がファーストキスを体験したのは、高校1年生の夏でした。

週に1度通う塾の帰り道、街の中心にある山公園での事でした。

相手は同じ塾に通う、2年生の先輩でした。

塾の女友達3人で花火をしようと、帰りに山公園に寄りました。

そこには同じ塾の先輩達が、先に花火をやっていました。

先輩達が「どうせならいっしょにやらない？」と言われ、みんなで花火をすることになりました。

みんなけっこうイケメンだったので、ちょっとドキドキしてしまいました。

人見知りな私はみんなより少し距離を置いて、花火をしていました。

グループから孤立していた私は、ちょっと気まずい雰囲気になりつつあったので、

「ちょっとジュース買ってくるねー」

と言ってその場を離れようとすると、一人の先輩が、

「危ないから俺も一緒にいくよ」

と言われ、いっしょに300ｍ位離れたところにある、駄菓子屋の自販機まで歩いて行きました。

先輩は気を使って沢山私に話しかけてくれましたが、私は緊張して「はい…」の一点張りで会話はそんなに盛り上がらず。

自販機の前でファンタを飲みながら、少し話をしました。

（緊張してて何を話したのか思い出せない…）

「そうですよね～」とか相槌を打ちながら、

そろそろ、と思って山公園に戻ろうとすると、先輩が急に私の手をつかみ、

「キスしよう！」と言われました。

返事するまもなく、抱き寄せられ、そのままキスをしました（キスされました）。

どうしていいのかもわからず、されるがままに目をつむり、唇を預けました。

ウォークマンで聴いてるかのように、私の胸の心拍音が頭の中に刻まれていきます。

すると先輩は、初めての私に今度は舌を入れてきました。

「なにコレーー！！」

ファーストキスなのに、ちょっと気持ちよくなってしまいました。

私も大胆に1分くらい長いキスをして、

先輩はその後スカートの中まで手を入れてきましたが、そこはさすがに拒否をして、先輩とのファーストキスが終わりました。

ちょっと変な空気になりましたが、その後は何にもなかったかのように、みんなのいる山公園に戻りました。

友達にも親にもこのことは話さず、ずっと黙っていました。

でもその先輩が私の大人への扉を、開けてくれたような気がします。

先輩は女の子に人気があって、他にも誘ってるみたいだったので、その後恋には発展しませんでしたが、人見知りな私にとって、予想もしない衝撃的なファーストキスを体験できました。

私はライオンに狙われた、ただの小鹿だったのかもしれませんが、女性は時にしっかりと断れる度胸も必要です。

でないと…すぐにペロッと食べられちゃいますよ～。