キスch

はじまりはお店にお客さんとして来店した彼に、服についてアドバイスを送った店員の私。

私の一目惚れ。私の中で何かを感じました。月をまたいで3回目の来店時に、思い切りを決断！

私の電話番号を書いた手紙を、彼が買った服といっしょに袋に入れておきました。

1日たっても連絡はなく、2日たってもこない。あ～わたしは、なんてバカなことをしたんだろうか…。

鳴らない電話、見るたびに後悔しまくった。

しかし！電話がかかってきた。やったあ～！！

「もしもしー、狩野さんのお電話ですかあ～？どーもー、こんにちわあ！わたくし…」

テンションの高さで、何かの勧誘と一発で気づく電話。即切りしてやった。

最悪…。結局1週間たっても連絡は来なかった。カッコ悪すぎるわたし。

テンション下がりまくって出勤していると、なんと彼が！！お店に来店しました。なぜ！？？

わたしは顔が真っ赤になり、しゃがんで隠れました。（←これもかなりカッコ悪い）

でも気づかれてしまい、彼は挨拶をしてきました。

彼「今日はマフラーを見に来たんですけど…」

なんか頭の中がショートしてよくわからなかったけど、接客をしました。

いつもと変わらない自然な感じだったので、しぶしぶ

わたし「こないだの手紙…見ました？？」

彼「手紙？？？」

彼は袋に入れておいた手紙には全く気づかず、袋ごと捨ててしまったみたい。

彼「あ～ご飯でも…いきますか？？」

ハッピーハッピー思い通じた。一応交際はスタートしました。

でも…

奥手なのかなんなのかわからないけど、彼からは連絡が来ない。いっさい。いつも連絡は私から。

そんな関係が3ヶ月くらい続いた…。私の気持ちはなんとなく伝えているつもりなんだけど、彼の気持ちはよくわかんない。

高校の時の友達は大学に行って彼氏ができたみたいで、ラブラブ話をウザイってほど話してくる。

そんな話が更に私の気持ちに、追い打ちをかけてくる。

智くんは私のこと、どう思ってるのかな…。ただの友達？それともそれ以下？メシ友？？

そしてまた、わたしから誘って今日もランチデート。その後お茶をして公園のベンチでボーッと。時が流れていく。さむ～い。

智「ウッチャンナンチャンのウッチャンって…おもしろいよね」

わたし「そ～だね…」

ど～でもいい会話。ん～退屈…。ヤバい！こうなってきたらもう終わりかな…。でも…好きなんだよね。

もうダメ。限界。私って女としての魅力、ないのかな～。

暗くなってきたし、今日もこのままバイバイか…。

と思って下を向いていると、彼が横から私のことを、そっと抱きしめてくれました。何も言わずに。

私の体は、とても熱くなりました。

彼は私の両肩に手を回し、反転させて今度は正面で抱きしめてくれました。

私は安心したのか、彼の胸の中で泣けてきました。なぜだか涙が全然止まりません…。

私に気付いた彼は、戸惑っていました。

智「ごめん。い、痛かった?」

わたし「違うよ、そうじゃない。嬉しいの…」

そう言って顔を胸に当てると、彼は優しく頭を撫でてくれました。

彼は泣きじゃくっている私の顔を上げて、キスをしました。人生初めてのキス。ファーストキス。

一旦顔を離して見合わせて、またキス。そして、徐々にディープキスに変わっていきました。

私の小さな口に、ふっくらとしたやわらかな彼の唇が重なっている感触。

彼は私に好きって言わなかったけど、言葉はなくても心は繋がれることを知りました。

彼のキスの仕方が「愛してるよ」と言われてる気がして、私もそれに答えたかったので、キスを返しました。

口下手な彼だからこそ、こんなファーストキスになったんだなあと。振り返って。

私のファーストキスは、とても長く情熱的でした。

その彼と実は…

今も付き合っています。去年の秋にいっしょに住み始めました。同棲っていいですよ～。

なぜなら…

私から連絡しなくても、いつも彼に会えるから（笑）