キスch

私のファーストキスの相手は、中学3年生の時に初めて付き合った、おとなしめのかわいい女の子でした。

初デートの場所は映画館です。何を話して良いか分からずあたふたしている間に映画が始まってしまいました。あまり会話も弾まないまま二人は映画館をあとにしました。(当時緊張のあまり何を見たかは全然覚えていません)　

映画が終わってしまったー。これからどうすればいいんだあ～と、無い頭で必死に考えて「ご飯でも食べようか？」と恥ずかしさマックスの赤面野郎が、なんとか口にできた言葉です。近くに安い回転寿司のお店があったので、ボクが「お寿司、食べようか！？ね！！」とちょっとテンション高めに言うと彼女はコクリとうなずいて、その店に入りました。

ボクは寿司に夢中になって食らいついていて気がつかなかったのですが、彼女はなんと！たまごとカッパ巻きしか食べていません。あれれ？もしかしてと思い「お寿司…嫌いだった？」と聞くと、「そんなことないよー」と言ってマグロの皿を手に取りました。そのまま彼女はマグロをただ見つめてジッと時が止まったかのように。やっぱり食べられなかったみたいで、小さい声で「ゴメンね」と言いました。

この時ボクは思いました。なんてかわいくて健気な子なんだ～と、私はその場で彼女を抱きしめたい衝動に駆られました。

そしてボクのとった次の行動は勘定をすませすぐに店を出て寿司屋の地下の駐車場へ、彼女の腕をもって連れて行きました。そこで…強引にボクからキスをしちゃいました。

本当はお寿司が嫌いなのに無理してまでいっしょに入ってくれた。そんな彼女の気持ちを考えたら「キスしなきゃ」とその時はなぜか思ってしまいました。

どこで人間スイッチが入るかわからないですね。

そういうわけで私のファーストキスは寿司のおかげで割とあっさりできてしまいました。彼女の口からはきゅうりの味がして、2つの意味であっさり？なファーストキスでした。